タスクチェア意識してデザインした最初のデスク 

今は亡きビル・スタンフとパートナーのジェフ・ウェバーは、イマジネーションに富んだ大胆な発想で、ハーマンミラーの革新的な製品を数多く生み出しました。ビルは1974年に発表された人間工学に基づいたワークチェアの先駆けであるアーゴンチェア、さらにアーロンチェアを設計。一方ジェフはケイパーチェアをデザインしています。そして二人は共同で、健康にプラスの効果を与える初めてのワーク チェアである、エンボディチェアをデザインしました。

黒色のEmbodyオフィスチェアとペアにした、白黒のEnvelop調整可能なデスク。

エンボディチェアの開発は、ビルとジェフが「人間とコンピュータとの間に物理的な調和が欠けている」という未解決の問題に気づいたことから始まりました。二人はチェア、デスク、周囲の状況という三つの要素を、オフィスワーカーを「包み込む」小宇宙として捉えるという概念を創案。「優れたチェアというものは、座り続ける姿勢が身体に及ぼすマイナスの影響を和らげるばかりでなく、ユーザーの健康に対してプラスの効果を与えられる」という革新的な考え方に基づいて開発を進めるうち、今度は「デスク面が動かない」という問題を強く意識するようになりました。

人間工学的な配慮を尽くした最高のワークチェアに座っている場合でも、なぜ人間は前のめりになりやすいのか。二人は常々このことを不思議に思っていました。そして、 デスク面がチェアとそこに座る人から切り離されているため、座る人が姿勢を変えるたびにモニターを見る目の位置とモニターの位置関係が変わってしまうということに気づきました。それが原因で、首と肩に無理な力がかかり、凝ったり痛みを感じるようになってしまうのです。

エンボディチェアの開発にあたり、二人はまず「デスク」というものの概念をあらゆる面から見直す作業からスタートしました。デスクというものはなぜその場にあるまま動かないのだろうか?コンピュータを使用中に姿勢を変えた時、ほどよい状態をキープするため、キーボードやマウス、モニターやラップトップといったものの位置を、どうしてわざわざ自分の手で動かす必要があるのだろうか。デスクがそうした調整を行うことはできないのだろうか。

このデスクはジェフの担当プロジェクトとなり、最終的な責任はほとんど彼が担うようになりました。こうして完成されたエンベロップデスクは、人間工学的デザインを大きく前進させると同時に、ビルとジェフの二人を長年にわたって導いてきた「仕事中の姿勢と人体」という概念を継承する製品になったのです。

45度の角度から見た白黒のEnvelop調整可能なデスク。
製品設計者Bill StumpfおよびJeff Weber

「デザインは人と世界をつなぐ結合組織」であるというのが、彼の持論です。

ビル・スタンフジェフ・ウェバーについて

アワード

  • エンベロップデスクとセトゥーチェアが『Interior Design』誌の「ベスト・オブ・イヤー」プロダクトアワードを受賞。

    2009
    エンベロップデスクとセトゥーチェアが『<i>Interior Design</i>』誌の「ベスト・オブ・イヤー」プロダクトアワードを受賞。