すべての人に、より良い体験を

医療システムがスタッフと患者に焦点を当てた支援環境をいかに構築したか

ケーススタディ:クレマンソーメディカルセンター(ドバイ、アラブ首長国連邦)

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ケーススタディ:クレマンソーメディカルセンター

クレマンソーメディカルセンター(CMC)はドバイで新しい病院建設プロジェクトを始めた際、スタッフと患者に有意義な医療体験を提供するという目標を掲げました。建設プロセスの効率化の必要性を認識していたCMCチームは、ハーマンミラーとハーマンミラーのディーラーパートナーであるAdvanced Business Conceptを迎え入れました。

医療施設が今ほど重要視されている時代はありません。このような理由から、ドバイのクレマンソーメディカルセンター(CMC)は、新たに設計された最先端の施設として歓迎されています。CMCは、レバノンをはじめとする中東全域に医療施設を展開しており、地域にとどまらず、国際的な事業展開を目指して着実に事業を拡大しています。

「私たちのビジョンは、この地域全体にトップクラスの医療施設を作ることで、それは今も変わっていません」と、CMCドバイのエンジニアリング& プロジェクトマネージャーのJohn-Aziz Maalouf氏は話します。 「私たちは、ホスピタリティにあふれ、かつヘルスケアに適した空間を目指しています。患者様により良い体験を提供することに誇りを持っています」と彼は続けます。

より良い体験をデザインする

医療施設において患者の体験を支えるのは、医療プロセスとそこで働く人です。医療プロセスが効率的であればあるほど、スタッフは仕事をしやすくなります。これはCMCが当初から採用しているもので、ニーズに合う施設を作りたいという願望を駆り立てました。「スタッフのニーズに適応することで、ケアチームがより効率的にケアを提供できるようになり、より多くの時間を患者のニーズに集中させることができる」とCMCドバイのチーフメディカルオフィサーであるRola Hammoud氏は語ります。

プロセスを合理化して効率を上げる

スタッフのプロセスを可能な限り効率化し、トップクラスの患者サービスを提供するという目標を掲げたCMCは、医療機器だけでなく家具にも投資する必要があることにすぐに気付きました。このためCMCは、ハーマンミラーとUAEのオフィスファニチャープロバイダー、Advanced Business Concept (ABC) を当初からこのプロジェクトに起用したのです。

イソスペースの5列に並んだコンサルテーション・キュービクル。左側のキュービカルではグレーのミラ2チェアの背もたれが見える
ブルーとグレーのミラ2チェアが2脚置かれたーションルーム。ホワイトとグレーのイソスペースシステムの周りに置かれ、それぞれのフロントビューとサイドビュー

「ハーマンミラーに図面について相談し、フロア全体の提案を受けたことで、概略設計から調達まで、建設プロセスの多くを効率化することができました。窓口が一本化されたことで、コミュニケーション、計画、実行がより効率的になり、プロジェクトのスケジュールとコストの目標を達成することができました」とMaalouf氏は語ります。

「建設段階では、ABC社が大きな役割を果たしました。また、ナースステーションのカスタマイズなど、病院内のいくつかのエリアを再利用したり、再設計するのにも協力してくれました」と彼は付け加えます。

将来に向けた順応性のある空間の構築

オペレーションを最適化するために、CMCはハーマンミラーとABCに、機能性、柔軟性、将来性に優れたファニチャーソリューションを提供するよう依頼しました。

ここで鍵となったのが、ハーマンミラーのCompass Systemです。すべての病室とスタッフのスペースに設置されたCompassは、感染症対策に配慮した設計で、人間工学に基づいた使いやすい収納を備えています。Compassを構成するモジュール式のケースワークは、交換可能なコンポーネントを採用しているため、「変化に対応できます」とMaalouf氏は言います。

「サプライストレージソリューションは、輸送システムと統合することで、材料の無駄を最小限に抑え、効率を高めることができます。Compassはあらゆる環境で優れたレジリエンスを発揮します。モジュール式のシームレスなデザインは、美しさ、機能、清掃性、感染対策を一つのソリューションにまとめています」とMaalouf氏は付け加えます。

また、CMCドバイのChief Clinical Executives-Interim GMのZeina Khouri氏は「サプライカートは、必要な時に必要な場所で消耗品や薬に簡単にアクセスできるモバイルソリューションを提供してくれました」と語っています。

ワークフローの改善

Compassに加えて、コーストラックシステムはCMCの効率的なオペレーションを実現する上で非常に重要な役割を果たしています。コーストラックシステムは、病院のプロセスの変化に対応できる研究室や薬局のワークスペースのソリューションを提供しています。コーストラックシステムは、清掃が容易で耐久性のある表面、上下昇降が可能なテーブルと柔軟性のあるキャスター、モジュール式の収納を備えています。

「コーストラックは研究室や薬局の設計に非常によく統合されています」とMaalouf氏は説明します。「私たちの薬局は完全に自動化されており、システムはあらゆる種類のタスク、ワークフロー、スタッフのニーズに対応しています。Compassとコーストラックの2つのモジュラーシステムは、スペースの転用や再構成が必要になったときに、必要な柔軟性と迅速な対応を提供してくれるので、安心できます」と述べています。

コンパスシステムが置かれたベリーホワイトで新品同様のホスピタルルーム。グレーのごみ入れの隣りで壁に立てかけたサプライカートのフロントビュー
マスクとスクラブを着用し、廊下でコンパスシステムのサプライカートを押す看護師

優れたケアの実現

家具とスペースがスタッフをサポートし、最高のケアを提供しています。「新しい施設には、スタッフ間のコミュニケーションと学習を促進するワークスペースがあります。皆がより簡単にコラボレーションできるようになれば、ミスを減らし、患者様により良い結果を提供することができます」とHammoud氏は述べています。

「病院や各フロアはの設計方法が素晴らしいです。機能性、人間工学、美しさを兼ね備えています。これにより、私たちにとって重要な効率性とワークフローが確実に改善されています」とKhouri氏は言います。「例えば、ナースステーションでは、チームで働くスタッフの仕事がサポートされています。看護スタッフの間でチームワークや組織が欠如していると、ケアの提供や患者の安全、オペレーション全体に影響を及ぼします。ですから、これは極めて重要です」

グレーとホワイトのナースステーションで、マスクをしてライトグレーのミラ2チェアに腰かけている女性看護師の後ろに木製のドアと大型のテレビスクリーンがある

「新しい休憩スペースは、その魅力的な雰囲気と快適性で、燃え尽き症候群や疲労に対処するのに役立っています。このようなスペースがあることで、私たちは日常から切り離され、患者様により良いサービスを提供できるようになります」と彼女は続けます。

ホスピタリティ体験の実現

もちろん、CMCにとって重要なのはスタッフの体験だけではありません。彼らは患者とその家族のためにホテルのような雰囲気を作りたいと考えていました。

これは、受付、病室、救急室、検査室、薬局など、すべての場所で患者を中心としたアプローチをとることを意味しています。各病室は広々としていて、床から天井までの大きな窓があります。家族が清潔感のある空間で、ソファでくつろいだり、仕事ができるようになっています。また、快適で設備の整った待合室は、家族の方にも心地良さを提供し、待ち時間にお仕事することも可能です。

コンピュータの前でグレーとブルーのミラ2チェアに座り、ホスピタルレセプションの女性を話をしているレセプショニストの後ろ姿
薬局でグレーのミラ2チェアに座り、デスクで仕事をする2人の女性。右側の棚には各色の薬剤とファイルが置かれている

洗練された受付エリアには、受付スタッフ用のミラ 2チェアが設置されていて、「患者様は5つ星ホテルにチェックインしたような気分になります。以前とは格段に変わったと思います」とKhouri氏は話します。「病室はまるでホテルの部屋のようで、患者様と家族をつなぐテクノロジーが組み込まれています。また、新しい部屋は広々としていて、来訪者を受け入れられるようにうまく設計されています」

Khouri 氏は指摘します。「ストレスや不安を最小限に抑えることが治癒につながることはよく知られています。そして、このような施設に入ると、歓迎された雰囲気と最新のデザインや家具のおかげで、患者様は不安を感じなくなります」

Hammoud氏は、CMCとハーマンミラーが同じデザイン哲学を共有していると考えています。どちらの組織にとっても、すべては人から始まります。ハーマンミラーのデザインに対するアプローチは、人を中心に据え、研究を重ね、問題を解決していくものであり、それはCMCにとっても深く共感できるものなのです。