ジャンフランコ・ザッカイによる製品

ジャンフランコ・ザッカイはイタリアのトリエステで生まれて、アメリカで育ちました。この両方の国とも強く関係していて、シラキュース大学卒業後の彼の最初の仕事は、臨床診断装置を作っているミラノの会社でデザイナーとして働くことでした。

「アメリカとイタリアの二つの文化の融合は、私にとっては非常にためになる人生経験でした。なぜなら両方のアプローチは大変異なりながらも、相乗的だからです」彼は振り返ります。「その当時アメリカでは、デザインとは機能に従う形態でしたが、イタリアでは、感情、伝統、文化などの感覚もデザインに考慮されていました」

ザッカイは、1983年にデザイン会社Continuumを設立しました。彼は、プロジェクトすべてに対して同じ方法でアプローチすると言います。「美味しい食事を作る時に、正しい分量の正しい材料を、正しい方法で給仕することが必要なように、機能、感情、環境保護、経済面が完璧に融合されるべきです」

最初からザッカイと彼のチームは、自分たちで調査を行うことの重要性に気づいていました。「誰かが手渡してくれた資料を読むだけでは、必要なことを深く理解することはできません。実際の世界に飛び出して、自分自身で現場の中では何が起こっているのかを見て、人と話し、彼らが物や環境とどのようにやり取りしているのかを観察し、彼らの夢や野心を理解しなければなりません。そうすることで「ひらめく」瞬間が生まれるのです」

「美味しい食事を作る時に、正しい分量の正しい材料を、正しい方法で給仕することが必要なように、機能、感情、環境保護、経済面が完璧に融合されるべきです」

ジャンフランコ・ザッカイ

問題を調査する実践的なアプローチは、ハーマンミラーのためにザッカイとContinuumが生み出した2つのデザインの基礎となりました。Exclaveのデザインに取り組む際、彼らは、必要に応じてすべてのコンポーネントを設置、移動、交換できるプロジェクトスペースを作ることから始めました。彼らはすぐに、この柔軟性に富むアプローチが、問題を解決し、画期的なソリューションを生み出すために協力している人々にとって非常に役立つことが分かりました。

「私たちの調査により、コラボレーションは主に自発的に発生し、むしろ無秩序なことが多いということが分かりました」ザッカイは言います。「ほとんどのコラボレーションは、短時間で、2~3人だけで行われて、どこででも発生するのです。残念なことに、オフィスのほとんどの場所は、コラボレーションを促すようにデザインされていません。さらに重要なことに、これらのスペースは、一つの場所から別の場所へとアイデアがスムーズに流れないようになっています」

コンパスシステムでは、チームは医療環境で対応すべき様々なニーズを直接学びました。ザッカイは言います。「患者や家族に快適性と安心感を与えるだけでなく、最適な看護のための貴重なスペースで、できるだけ邪魔をしないことが必要なのです。また、最新のテクノロジーに素早く対応できる順応性を持ち、感染のリスクを抑えながら簡単にメンテナンスできなければなりません」

ザッカイとContinuumの仕事はハーマンミラーだけにとどまりません。数多くのコンシューマー向け製品をデザインしましたが、プロクター・アンド・ギャンブル社のスイッファークリーニングシステムや有名なリーボック社のポンプも彼らが生み出しました。